Misson2 どんな斜面でも転ばずに滑り切る
スキーを行う条件はいつも雪上車でハードパックされた好条件ばかりとは限りません。豪雪が降った翌朝の深雪、スキー板のエッジが歯が立たないようなツルツルのアイスバーン、腰の高さまで抉られたコブ斜面、脚に疲労蓄積や筋肉痛をもたらす春の重たい湿雪、緩斜面だと思って気持ちよく滑っていたら急に落ち込む斜面変化などゲレンデには多くのシーンに遭遇します。ここでは様々な斜面に対応する方法を学びます。あらゆる斜面を克服することで上級者としての達成感を味わいましょう!
不整地
不整地の代表であるコブは、スキーヤーがターンする際に雪面を削り、削った雪がターン外側にたまることででき、多くのスキーヤーが同じラインを滑走することでコブは成長していきます。
このようなコブができるメカニズムを考慮すれば、コブの練習の基本は整地での小回りターンにあります。雪面から受ける抵抗力の強弱を感じながら、浅いコブ、深いコブへと進めるのが合理的な練習です。コブ独特の身体の使い方を練習する前に、不整地でも通用する小回りターンの基本動作を整地で身に付けることが大切です。
Step1 横滑りでコブを滑ろう!
基礎パラレルターンを習得する際に練習した横滑りの要領で、十分に速度をコントロールしながらコブ斜面にチャレンジしてみましょう❗️初心者が初めてコブに入るときに学ぶ滑り方でズルドンとも呼ばれています。コブを滑る際の基本的な滑り方となるので、滑りの要領を理解して繰り返し練習しましょう。
課題 2-1 横滑りでコブに慣れる
✅ パラレルスタンスで外スキーの正確な舵取りにより速度をコントロールします 迎え角とエッジングを調整し速度をコントロールしましょう。 ✅ 横滑りの展開の要領でスキーを素早く回旋します 素早く回旋させることでスキー板がフォールラインを向く時間を短くするので暴走を防ぎます ✅ 素早い回旋で落差を抑えコブのラインを滑ります 落差を抑えることで舵取りでコントロールする時間を確保することに繋がります。 ✅ コブの出口でトップが上がってくるので、後傾しないように注意します 整地と同様に常にセンターポジションを心がけることを意識します。
Step2 基礎パラレルターンでコブを滑ろう!
整地で練習した基礎パラレルターン小回りの要領で、滑走ラインを流れるように滑ってみましょう。 Step1で練習した横滑りベースの滑りを洗練させたイメージで滑ります。
課題 2-2 基礎パラでコブにチャレンジ
✅ 常にスキーで雪面をとらえ、等速でコブのラインを滑ります 素早い回旋で切り替え、舵取りで等速になるようにコントロールします ✅ ストックをコブの頭に突くようにします リズミカルに小回りをするために、コブの頭をつく意識を持ってストックワークをする。
Step3 ボトムターンでコブを滑ろう!
緩斜面の縦長なラインコブは横にズラしてコントロールすることは困難です。コブの凹部を滑って速度を制御する技術を身につけましょう!
課題 2-3 ラインコブをボトムターンでチャレンジ
✅ 滑走ラインのもっとも掘れた凹部をカービングします
✅ コブから受ける衝撃を脚の屈曲で吸収して浅まわりで滑ります
✅ せり上がってくる雪面をカービングしつつ吸収します
<注意事項> ※ スピードが出やすいので、加速→等速→減速→停止で速度コントロールの練習をします。 ※ 浅いコブから深いコブへと徐々に難易度を上げます。
Step4 バンクターンでコブを滑ろう!
基礎スキー界のレジェンド丸山貴雄デモが技術選を通じて普及させたバンクターンです。コブの外側のラインに沿わせて滑るダイナミックな滑り方です。バンクマジックとも呼ばれ、初めて目にした時は衝撃的でした。今では一般スキーヤーにも浸透しています。近代のカービングスキーの特性にあった滑り方といえます。技術の幅を広げるためにチャレンジしてみましょう❗️
課題 2-4 バンクターンでコブを深回り
✅ コブのバンクを利用して深回りで滑ります バンクに合わせて積極的に滑ることで、スキー板をオートマティックに回転させます ✅ カービングにより、急斜面での速度制御を確実に行います スキー板をカービングで深く回し込むことで速度のコントロールを行います。
斜面変化
バッチテスト1級の検定種目”総合滑降”は総合斜面で実施されます。総合斜面では、斜面変化も含まれるので斜度が変化する際の身体の動きを理解し習得しましょう。整地では左右の運動とバランスが求められますが、斜度の変化のある斜面ではそれらに加えて前後の運動とバランスが求められます。
Step1 直滑降〜吸収
整地ではターンのための左右方向の運動とバランスが求められますが、斜度変化のある斜面ではそれらに加えて前後の運動とバランスが求められます。ここでは大型の人工ウェーブを例に、典型的な斜度変化への対応を理解します。
課題 2-5 斜面変化を身体で吸収
✅ ウェーブの頂点で脚を曲げてショックを吸収します ✅ 頂点の先でウェーブの斜度変化に合わせて身体を前傾させます ✅ 足首、膝、股関節までを柔らかく使用して斜度の増加に対応します
Step2 大回り カービング深回り
課題 2-6 カービング深回りでの斜面変化吸収
✅ カービング深回りでパラレルターンをします ✅ ウェーブの頂点に向かって脚を抱え込みながらカービングを続けます
<注意事項> ※ 全体的に低い姿勢で滑ります ※ 整地では、切替え期に脚を抱え込み舵取り期に脚を伸ばす点に注意します
Step3 小回り 回し込み
課題 2-7 小回りの回し込みでの斜面変化吸収
✅ パラレルターン小回りをします
✅ スキーを十分に回し込みします
✅ 斜度の変化に合わせて滑らかなエッジングを持続します
<注意事項> ※ 滑らかなズレを利用して回し込みします ※ ウェーブとタイミングを合わせます
Step4 小回り カービング
課題 2-8 小回りのカービングでの斜面変化吸収
✅ カービングでパラレルターン小回りをします
✅ 身体が遅れないように斜面に対応します
<注意事項> ※ スピードが高まるので、ウェーブで飛ばされないように素早く吸収します ※ ウェーブの数を安全のため5つ以内に設定しそこで停止するようにします
雪質
スノースポーツは圧雪車できれいに整備された整地ばかりとは限りません。豪雪の降った後のフカフカな深雪、春先にかけての湿った重たい湿雪、カリッカリのアイスバーンなど様々な条件の雪質があります。様々な雪質も攻略できる技術を身につけると、スキーの楽しみの幅も広がってゆきます。整地の雪面上を滑る場合と比べて力の受け方などが大きく異なります。経験による慣れが必要ですが、慣れるまでは理論と指導法が重要です。
パウダースノー
パウダースキーは最も魅力的なスキーのひとつです。最も条件の良い雪質であるパウダーであっても、そこをこなす技術が必要です。
また、悪質をこなすことができれば、春夏へとスキーを楽しむ期間は伸びていきます。悪条件をこなす技術は、効率的でつかれない技術でもあります。
抵抗力の受け方、慣性の方向なでが雪質の違いで大きく異なります。これらにはもちろん経験による慣れが必要ですが、論理的な理解と効率的な練習方法が早期熟達に役立ちます。
さらに、近年さまざまなパウダースキーに適したスキーが開発され、難しさが少なくなりコントロールの楽しみを味わえるようになりつつあります。
課題 2-9 板の面を使ってパウダースノーにチャレンジ
ハードパックされた雪面にパウダースノーが積もってくると、スキー板で底を感じられているうちは外スキーの荷重とエッジングを利用して滑ります。しかし更に雪が積もり底を感じられなくなるまでになると、スキーのソール全体に雪があたるので外スキー中心の荷重とエッジングだけでは制御が困難になります。両スキーを閉じて一つの面で雪面をとらえコントロールする意識を持ちましょう。
✅ 両スキーを閉じて滑走面を幅広い大きな面として雪をとらえ大回りをしよう
✅ 面でエッジングする意識を持って小回りをしよう
✅ 身体が雪面から受ける抵抗を利用して小回りで速度をコントロールしよう
✅ 浮上による加速と沈み込みによる減速を制御しよう
<注意事項> ※ 十分な視界を確保し、埋もれている樹木や石などの障害物に注意しましょう。 ※ スキー板が浮き始め雪面に近づくとスピードが増すので注意します。 ※ 軽い粉雪はスピードが出やすいので、スピードを十分に制御します。
湿雪
周囲を海に囲まれた日本列島では、季節を問わず湿った雪が降ります。湿雪は雪が重く、ターンをさせるために、より正確な制御を必要とします。
課題 2-10 正確にスキーをコントロールして湿雪を楽しむ
✅ 湿雪を大回りで速度制御しよう ・ターン前半でしっかり外スキーに乗り回し込みます ・脚を柔らかく使い微妙な雪面の変化に対応します ✅ 湿雪を大回りで速度推進しよう ・ターン前半から後半までカービングを続けてスピードを推進します ・雪面に硬い底がない場合、スキーのセンターに確実に乗るように意識しましょう ✅ 湿雪で小回りをしよう ・雪質による減速を斜度による落下を活かした加速で補います ・スキーの動きが重く感じるので、積極的に動くようにします ✅ 湿雪を小回りでリズム変化させよう ・リズム変化でさまざまな抵抗の受け方と、それに対応した動作姿勢を身につけます ・雪質が悪い時ほどリズムを変化させ、それに対応したターン姿勢を身につけます ・カービング速度制御で滑ります
アイスバーン
春先のゲレンデなど日中気温が上がり朝夕冷え込むような状況では、早朝や日が傾いて気温が下がってくる時間帯などに硬いアイスバーンが発生します。硬い青凍りのような状態ではスキーのエッジが歯が立たずターン中の暴走を引き起こしがちです。このようなアイスバーンでも基本に忠実に積み上げていけば安全に滑れる技術を習得することは可能です。
課題 2-11 アイスバーンで無難にターンコントロールする
✅ 横滑り斜滑降でコントロールする 硬いアイスバーンは無理にエッジをたててコントロールせず、スキーの面でアイスバーンを 受けて横滑りをしながらコントロールすることが大切です ✅ 横滑りの展開でコントロールする 横滑りで斜滑降〜小回りまでスキーの進行方向を自由にコントロールできる練習をしましょう。 素早い回し込みを意識することが大切です。 ✅ パラレルターン大回り 雪面からの抵抗を面で優しく受ける意識を持って丁寧に孤を描く練習をしましょう。 ✅ パラレルターン小回り 大回りと同じく、雪面からの抵抗を面で優しく受けて丁寧に孤を描く練習をしましょう。 素早く回し込みをする意識を大切にしましょう!
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ゲレンデでスマートにカッコよく楽しく滑りたい方へ📢
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